6月4日(金)~6月23日(水)
柏市議会が開かれた。
今議会の着目点は、秋山市長がマニフェストに謳った市長の退職金を廃止する条例案が具体化する事だ。
市長は、特別職の退職金制度を否定するものではなく、今の財政難を考えた時、自ら身を切る必要があり、今期在任期間について、特例で廃止したいとした旨の答弁をした。
また、もし2期目の信託を受けた時は、どうするのかとの質疑に対しては、現時点では検討していないとした旨の答弁をした。
これでは、単なるパホーマンスに過ぎないのだ。
特別職の退職金制度そのものやトコロテン人事のあり方を根本から見直さなければならないのである。
例えば、河合教育長は今まで水道管理者だった。
水道局の退職金に加え、教育長の任期に応じた退職金が支給される。
石黒副市長は、今まで企画部長だった。
役所の退職金に加え、副市長の任期に合わせた退職金が支給される。
これは、ここ数年の実例であり、柏市では同じような事が、慣習的に行われている。
特別職に退職金を支払うくらいなら、初任給の底上げや住居手当の加算など、もっと末端の職員にこれを還元するべきではないだろうか。
次に、今議会では余り議論にはならなかったが、一度仮契約した医師が辞退し、現時点で医師不在の特殊歯科診療の問題は、もっとしっかりとした議論が必要だったはずである。
特殊歯科診療は、重度心身障害者や認知症高齢者など治療に時間を要する患者も全身麻酔を使用し、安全に医療を提供できる。
これだけ聞くと、大変良い事業だと錯覚してしまう。
この特殊歯科診療は、1日の来院者を8名程度と見込んでいるようだ。
しかし、この推定は過大である。
現在、地元のかかりつけ医や日大歯科病院に通院している市民を通院先誘導しなければ、この数値は出てこないのだ。
通院を促し、介助する家族の負担軽減にはなるが本人と今、かかっている医師との信頼関係はそっちのけだ。
人権意識が欠如した当事者不在の医療と言える。
これは、全身麻酔を使い拘束し、効率的な医療を施そうとする事からも言える。
しかも保健所で、全身麻酔を使う事へのリスクもある。
特殊歯科診療を受診する市民は、常時何らかの服薬をしている。
いくら特殊歯科診療の認定医であっても歯科医師は、内科や神経科と言った領域の投薬調整は、できないのである。
これは、歯科医師法でも規定されている。
また、麻酔科医も非常勤である事からリスク管理が難しい。
私、内田ひろきはリハビリテーションの指導員として、15年間病院に勤務してきた経験がある。
いくら浅い全身麻酔でも使った以上は、1泊入院が当然だった。
全身麻酔に使う薬品は、少量でも肝機能や腎機能に影響を及ぼす事もあり術中、術後の体温管理が難しいからだ。
まして、常時服薬しているとなればこうしたリスク管理もさらに慎重でなければならないのである。
一方、歯科治療が必要な事は確かだ。
歯が痛めば、食事が取れない。
栄養失調は、回避しなければならないのである。
そのためにどうしても、特殊歯科診療が必要な市民も出てくるだろう。
本来は、こうした患者を民間の医療機関が地域で支えるべきなのである。
もし、これが困難ならば、特殊歯科診療は保健所ではなく、内科医も小児科医もいて全身麻酔の手術も日常的に安全に行える市立病院で開設するべきなのである。
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