市東さんの農地取り上げに反対する会シンポジウム

11月23日(木)
私、内田ひろきが事務局を務める市東さんの農地取り上げに反対する会の主催で、明日も耕す~この地を耕し続ける・憲法と農業――農民の人権は守られているかをテーマとしたシンポジウムを開催した。
私、内田ひろきの後援会である柏の自治力を活かす会の仲間も多数が参加した。
今回のシンポジウムでは、内藤光博専修大学法学部教授、石原健二元立教大学教授、三宅征子消費者運動・会事務局と言うベストメンバーから発言を頂戴した。
今日のシンポジウムでは、次の基調報告を確認した。

基調報告から抜粋。

シンポジューム第2部は「緊迫の成田!」と銘打ちました。
まず市東さんの会の事務局から報告を行います。
裁判闘争は極めて緊張した状況を迎えています。
詳しくはこの後弁護団から報告されますが、今月6日に行なわれた第4回請求異議裁判で、高瀬裁判長は、通常の裁判手続きを飛び越えて、いきなり次回は1月としたい、また市東さんの証人尋問に入ると言い始めました。
空港会社の認否や反論がなく、証人も確定してないこの段階で、「採用の要あると認める者から尋問を始める」などという裁判は、聞いたことがありません。
法廷は騒然となり、市東さんと弁護団が強く抗議してこれを撤回させましたが、拙速審理・早期結審の意図をむき出しの訴訟指揮です。
非常に緊迫した段階に入ったと言わざるを得ません。
さて昨年10月末の最高裁判所(第3小法廷)の決定は市東さんの農地、自宅に接する出荷場・農機具置き場など日々の営農に欠かせない施設を含む天神峰農地と南台農地の一部、計約7,300㎡、これは市東さんの全耕作地の4割強の取り上げを認めるものでした。
市東さんは、強制執行を阻止すべく、ただちに「請求異議」を申し立てました。
そして非常に異例なことといわれますが、本年2月千葉地裁は、「申し立てを理由があるものと認め」「強制執行停止決定」を行い、請求異議裁判が始まりました。
別件の耕作権裁判を含めると、取り上げ対象農地は13,000㎡におよび、市東さんの畑の73%に達します。
最高裁の不当判決を受けながら、強制執行を水際で止めることができたのは、強制執行に始まる農地取り上げが市東さんの生存を脅かし、最後は暴力に訴えるものであることの違法性が厳にあることに他なりません。
重大な決戦の時を迎えました。
このシンポジュームの場をまさに“決起集会”として、いかに闘うか、全体としてもまた個人としても、決意を固め、行動する、その時が来た、と考えます。
少し振り返ります。2006年夏、市東さんの会は活動を開始しました。
7月、成田空港会社が市東さんの南台農地の契約解除申請を成田市農業委員会に提出、9月に千葉県知事の承認、そして10月「不法耕作」だとして明け渡しを求めて市東さんを告訴、耕作権裁判の開始です。
そして現在、私たちは耕作権裁判と請求異議裁判、そして市東さんの営農や生活に相互に関連する裁判を一体として闘っています。
そしてこの11年、市東さんや弁護団、そしてみなさんが共に闘い、市東さんの農地を1坪たりとも収奪させませんでした。
国・地方自治体・空港会社に反撃し、論破し、策動を打ち砕き、まさに勝利的に闘ってきました。
しかし「緊迫の成田!」です。
重大な時を迎え、幾つかの方針を提起します。

①まず公判傍聴の強化です。
請求異議裁判のみならず、共に繋がるすべての裁判を一体として捉え、1つ1つの裁判、1つ1つの公判、そして前後の集会やデモに結集します。
②そのためには、状況を正しく把握することが重要です。今まで以上に密な発信(呼びかけと報告)とコミュニケーション、会のブログやツイッターの強化を図ります。
③法廷外での活動強化。特に現地との連携を一層重要視し、「現地調査」を実施していきます。
④そして異変があれば、直ちに現地に駆けつける陣形の強化を図ります。
⑤最後に、別紙「カンパと会員拡大のお願い」を添えましたが、財政強化にみなさんの理解と協力を強くお願いします。

これまで会に約2千2百万の会費・カンパが寄せられ、「耕作権」「農地法」(請求異議裁判)「市道(団結街道)」の3裁判の費用を賄ってきました。
しかし筆跡鑑定などの費用が嵩み、会の財政は実質赤字状態にあります。
闘争強化には財政をしっかり支えることが必要で、ともに闘う仲間や弁護士など有意のみなさんの理解と協力を求めています。
会場のみなさんの周囲の仲間にも是非入会やカンパの呼び掛けをよろしくお願いします。
最後に第3滑走路策動を含む「空港強化策」について一言申し上げます。
東京オリンピックや観光立国・地域活性化を旗印に地域住民の人権・生存権を全く無視、蹂躙する国の政策は、市東さんに対するものと全く同根です。
私たちは「空港強化策」なるものに断固反対です。
また安倍政治、なかんずく憲法改悪や戦争への道、沖縄・フクシマ・TPPなどなど、様々な課題があります。
いずれも緊迫した状況にありますが、ここでは触れませんでした。ご容赦ください。
あらためて申し上げます。
成田は緊迫しています。
市東さんの農地裁判の勝利のため、一層共に闘っていきましょう! 行動しましょう!

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