10月8日(日)
私、内田ひろきの後援会である柏の自治力を活かす会の仲間と8人で私、内田ひろきが事務局を務める市東さんの農地取り上げに反対する会と合流し、三里塚の農民畑で行われた空港反対集会に決起した。
今日の集会では、次の基調報告を確認した。
基調報告から抜粋。
本日の集会は、8月9日逝去された北原鉱治事務局長を悼むとともに、52年目の三里塚闘争の新たな発展を切り開く総決起集会です。
安倍政権による「北朝鮮危機」の扇動と経済制裁・軍事圧力強化の戦争政策を許してはなりません。
北原さんの熱い反戦の思いを胸に刻み、「真実を貫こう。三里塚で勝って世の中を変えよう」という一貫した生き方に学び、決意も新たに立ち上がりましょう。
(1)市東さんの農地を守る請求異議裁判勝利へ
市東さんの農地裁判闘争は、昨年の10.25農地法裁判・最高裁不当判決から一年、千葉地裁による強制執行を止め勝利してきました。
市東さんの農地は、NAAが請求すればいつでも執行できる状況に置かれましたが、しかし、これを2.14執行停止の仮処分を勝ち取ったことで請求異議裁判の判決が出るまでの間は、一旦止めることができました。
請求異議裁判は現在、3回の弁論を重ねています。
私たちは決戦本部をかまえて臨戦態勢を構築する一方で、署名を広げ、裁判のたびに千葉地裁に向けたデモをおこない、強制執行を阻止する闘いを推し進めてきました。
多くの皆さんのご協力に心から感謝申し上げます。
強制執行と背中合わせの情勢に変わりはありませんが、しかし、最高裁で決定したことが1年もまかり通らないという画期的な勝利を切り開いています。
国家権力・司法権力を相手にして、一歩も引かずに闘っているという実感があります。
からだを張って闘い、強制執行を実力で阻止する決意は何の変わりもありませんが、請求異議裁判で私たちの正義はますます明らかです。
裁判に勝利し、文字通り最高裁判決をひっくり返しましょう。
この請求異議裁判の中身である請求異議の事由は3点あります。
①NAAが社会的に強制的手段の放棄を公約したこと
②裁判官忌避中の東京高裁・小林昭彦裁判長が違法に判決を強行したこと
③耕作権解約の条件である離作補償が支払われていないこと
第3回弁論(8.10)において陳述した準備書面(3)での主張は
第1、被告による本件強制執行権行使は、権利濫用で許されない
1 権利濫用学説の概観
2 確定判決に基づく強制執行について権利濫用を認めた裁判例
3 口頭弁論終結前の事実も踏まえて口頭弁論終結後の訴訟行為につき、請求異議の訴えを認容した裁判例の存在
4 被告による強制執行権の行使は、権利の濫用であり許されない
⇒1971年の行政代執行などにおける殺人的暴力行使の事実。
成田空港問題シンポジウム・円卓会議(93~95年)での「平行滑走路のための用地の取得のために、あらゆる意味で強制的手段が用いられてはならず、あくまでも話し合いにより解決されなければならない」との最終所見が出ている。
さらに市東・萩原の共同経営する「三里塚産直の会」への打撃と損害の重大性。産直運動を破壊する重大な権利濫用だ。
第2、権利濫用を基礎づける新たな事実(その1)
1、東峰部落の小泉英政夫妻と被告会社(NAA)間の和解の成立
2、国・県・空港会社からの小泉夫妻への「謝罪」と、市東さんに対する態度・行動の意味(ダブルスタンダード)
3、小泉氏への謝罪と和解成立の事実の、本件訴訟に対する意義
4、まとめ
⇒小泉よねさんへの代執行について空港会社は「話し合いの努力が足りなかった」「人間味のない対応」をしたと謝罪し、「この地で二度と『小泉よねさん問題』のような不幸な出来事を繰り返してはならないと決意する(総裁談話)」としながらも、市東さんに対しては手紙一通のみで直ちに訴訟を起こし判決を騙し取るや「執行の権利がある」という。
成田シンポ・円卓会議において「強制的手段の放棄」という公約をした空港会社(当時空港公団)が、形式的に判決を得たからといって、市東さんに対して強制執行をなすことは権利の濫用以外の何ものでもない
第3、GSE,ULD置き場という事業計画の虚構(権利の濫用 その2)
⇒すでに置き場は存在しており市東さんの農地を奪う必要は無い
次回、11月6日、第4回弁論では立証計画提出と証人申請を行います。
全ての証人の採用を勝ち取りましょう。
請求異議裁判署名は8824筆を提出しています。第3次提出に向けて署名を積み重ねましょう。
以上、請求異議裁判について確認しましたが、さらに市東さんの農地に関連する重要な裁判が、耕作権裁判と新やぐら裁判です。
どちらの裁判もNAAの違法を暴き、徹底的に追いつめています。
市東さんの生活環境破壊や人権無視を許さない団結街道裁判、第3誘導路裁判も重要です。
いずれの裁判も重大な攻防局面に入っています。
合計5つの裁判闘争を闘いぬくため「三里塚裁判支援運動(基金運動)」への入会と会費納入にご協力をお願いします。
【裁判日程】(千葉地裁)
・10月24日(火)10時30分 第3誘導路裁判
・10月30日(月)10時30分 新やぐら裁判
・11月6日(月)10時30分 請求異議裁判 9時集会デモ
・11月20日(月)10時30分 耕作権裁判 9時集会デモ
(2)空港機能強化策の白紙撤回を勝ち取ろう
空港機能強化策(第3滑走路建設、B滑走路の1000m北伸、夜間飛行時間延長)に対して、芝山町、横芝光町でそれぞれこれに反対する住民団体が発足して、国・県・町・空港会社への要望書提出などの活動が始まりました。
住民たちから「これ以上の騒音は受け入れられない」「空港の犠牲になるのはもうゴメンだ」など怒りの声が沸き起こっています。
住民の激しい怒りに押された周辺自治体と千葉県知事は、空港会社に対し「夜間飛行制限の緩和の一部見直し・集落分断の解消・落下物対策・地域振興策」を要望(5月)しました。
それを受け空港会社は、6月12日の四者協議会で『成田国際空港の更なる機能強化に関する見直し案』を提示しましたが、小手先のごまかしであくまでも機能強化を進めようとしています。
『見直し案』では、2020年東京五輪開催までに、先行してA滑走路の運用を1時間延長し、6時から0時(0時30分まで弾力的運用)までとする。
さらに、C滑走路供用後は5時から0時30分(1時まで弾力的運用)までとするとしています。
その他の問題は、全てお金で解決するという傲慢さです。
また、この動きと連動して利権に群がる推進派の動きも活発化しています。
かつて青年行動隊だった石井新二(株式会社地域振興協会)らは、ビラ「未来あした1/5号」で要約すると次のように言っています。
「航空機による騒音、落下物、汚染などの被害拡大は完全否定できない」「被害住民への対策は『共生協力金制度』の創設で、年額100万円の生活助成をする」「成田市との空港圏合併で税収を得て利害を公平に分け合う」「空港周辺で20万都市の建設を目指す」と言っています。
このように空港利権屋らしく、被害者にはカネをばらまいて黙らせろと主張しているのです。
こんなカネの亡者の為に犠牲になることはありません。
危険な落下物被害も頻発しています。9月23日、大阪市で落下した4.3キロのパネルが走行中の車を直撃し破損させ、27日茨城県稲敷市でも3キロのパネルが落下しています。
昨年10月までの7年半に437件の部品脱落の報告があった(9.30朝日新聞)。報告されただけで年平均50件以上起きており、実際は数倍の落下物があります。
飛行直下の民家に氷塊が落下し屋根が壊れたけれど、証拠の氷塊が溶けてしまうため、空港会社が責任を認めなかったという実例もおきています。
空港機能強化によって現在23万回の発着回数を50万回に増やした場合、二倍以上の被害が住民に降りかかるということであって、とても生活できる環境ではなくなります。空港機能強化と住民の命や生活は相いれません。
絶対に許せません。
国と千葉県と空港会社は10月24~28日、芝山町民に『見直し案』の説明会を開こうとしています。
住民説明会をめぐる攻防がこれから再び激しくなります。
反対同盟は決戦本部を軸に、周辺住民との連携を日々強めています。
私たちと行動を共にして下さい。
立ち上がる住民と共に機能強化案の白紙撤回へ闘いましょう。
(3)三里塚・沖縄・福島の闘いで安倍打倒へ
2日後には衆議院選挙がスタートします。
今回の解散・総選挙は全く支持されていません。
北朝鮮・キムジョンウンの軍事的対抗を餌食にして、自らの不正・腐敗を隠蔽し、戦争・改憲に突き進もうという安倍政権をどうして許せるでしょうか。
小池・「希望の党」も改憲勢力であり、同じ穴のムジナです。
「改憲と戦争は許さない」という広範な怒りを結集しましょう。
この情勢の中で、反戦・反権力の砦として「国策」と真っ向から対決して闘い続ける三里塚は、「改憲・戦争阻止」の先頭に敢然と立つ決意です。
10.8羽田闘争から50年。帝国主義と闘うベトナム人民に思いをはせ、農地を守り軍事空港粉砕を貫き、国家暴力に立ち向かって勝利し、今も闘い続ける三里塚です。
闘いを継承し、新たな地平を切り開く時が来ています。
市東さんの闘いの中に、農民闘争としての、そして全人民に通じる三里塚の魂があります。
ここに、あらゆる人々を結びつけ、連帯の輪を広げ、あらゆる力を結集しましょう。
国策と闘う三里塚・沖縄・福島を軸に、労働現場や生活のあらゆる現場での闘いをつなぎ、安倍打倒へ共に闘いましょう。