骨格提言の完全実現を求める大フォーラム

10月30日(木)
私たち抜きに私たちのことを決めるな!をスローガンに私、内田ひろきが所属する怒っているぞ!障害者きりすて!全国ネットワークが呼びかけ団体に加わり、骨格提言の完全実現を求める10・30大フォーラムを開催した。
日比谷野外音楽堂での集会後は厚生労働省前で、抗議のシュプレヒコールを上げた。
私、内田ひろきは障害者自立支援法を制定する過程から反対闘争に決起してきた。
福祉は食い物でも買い物でもない。
まさしく、国と自治体が保障すべきものだ。
身体「障害」者 が介助者とトイレに行く事や聴覚「障害」者が要約筆記・手話通訳を付けて人と会話をする事また、視覚「障害」者がガイドヘルパーと外出する時など、こうした日常の当たり前な事になぜ金銭を支払わなくてはならないのだと言いたい。
この攻撃は、介護保険法の改悪により高齢者に対しても同様に仕掛けられている。
便益や契約と言った資本の論理は、新自由主義そのものである。
創ろうみんなの障害者総合福祉法と謳い、「障害」当事者の強い要求で障害者制度改革推進会議が発足し、骨格提言がまとまった。
ところが、私達抜きに私達の事を決めるなと主張してきたこの会議の骨格提言は、2割程しか反映していないのだ。
障害者総合支援法と名前だけを変え、難病患者を救済の対象にした。
しかし、障害者総合支援法による難病患者の救済は不十分であり、法の枠組みに当てはめ、お茶を濁しただけに過ぎないのだ。
この為、法の枠組みから外れてしまう難病患者が続発し、患者間での格差と分断が生まれてしまうのである。
障害者総合支援法は、施行から3年後に見直しとなる。
この局面に向けた闘いの強化が必要である事を強く感じる集会だった。

以下にアピール文を抜粋。

私たちは今日、生活の現状を訴えるべくここに集いました。今の日本は、ごまかしの福祉制度を進めており、このままでは人間らしく暮らすことはできません。
この大フォーラムが目指すところは、2011年8月に当事者と関係者55名がまとめた「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」、骨格提言の完全実現です。
骨格提言では、人を線引きしない福祉施策をもとめており、一般市民としての権利を保障することを重視して、福祉法を設計するように提言しています。
しかし政府は、その骨格提言をほとんど無視して、障害者自立支援法の名前を変えただけの障害者総合支援法を作って問題をごまかそうとしています。
今年批准した障害者権利条約と逆行する政策を進めています。
骨格提言の非差別の思想は、消えつつあります。
リレートークで示されたように私たちは毎日、不条理に直面しています。
いまや医学の進歩により、子どもが生まれる前から一部の障害を発見できてしまいます。
また、病気・障害で回復不能とされた場合、生命維持を中断できるようにしようという流れがあります。
私たちは、福祉制度が十分ではない日本において、生まないという選択をしてしまう親、「この人は回復不能で幸せに生きられない」とする医師や家族が多くなると強く危惧します。子どもに障害があると、通園施設や特別支援学校、特別支援学級に通ったり、否応もなく18年間、専門施設との関係を深めるようにさせられます。
普通学校に通わせたいというと、親がつきそえと言われます。
成人しても“特別な施設”はつきまといます。そこでは閉鎖性・隔離性から虐待が起こり、ひどい目に遭うことがあります。
政府は、今年6月に3000人以上が集まった反対集会をはじめ、多くの人が反対したのにも拘らず、長期に精神科病院に隔離収容された精神障害の人が、一生病院の敷地内に暮らすことを許す精神科病棟転換型居住系施設を認める方針を強引に決めました。
政府は病気・障害、年齢別でサービスを分けています。
難病の対象範囲は拡大されましたが、病名を羅列していては根本的な解決にはなりません。
介助サービスを使いながら外で社会貢献をしていた人が、65歳になったとたんに外へ出られなくなることは、明らかにおかしいです。
私たちは、これら、障害を理由とした差別、障害者の参加を前提としない社会構造、サービスの分断、施設の隔離、虐待に対して闘っていきます。
日本には、多大な財政赤字があるといわれます。
しかしこれは、公共事業や天下り機関、軍事費などへの無駄な出費あるいは大企業優遇税制などの政策によるものです。
政策の考え方を変えることで、社会保障費、医療費にお金を回すことは十分可能です。病気・障害は誰でも持ちうるものであり、病気・障害がどんなに重くても、人は可能性のある、何らかの方法で社会に貢献できる存在なのです。
私たちは、人の可能性を摘む政策を、絶対に許しません。
この大フォーラムは、団体や組織を超えて、不条理を国にぶつけていきます。

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