グループ・飛躍の夏合宿

8月28日(日)
一昨日から私、内田ひろきが所属する「視覚障害」者問題を考える会であるグループ・飛躍の夏合宿に参加した。
飛躍は、福祉制度改悪阻止の闘いや分離教育粉砕の闘いなど「障害」者解放闘争に軸足を置き、反戦・反差別を中心に取り組んでいる。
合宿の時は「障害」者問題に限らず、さまざまな社会問題に触れている。
殆ど視覚「障害」者の長旅だが、いつも無事に帰宅する事ができる。
弱視の人に白杖を持った人が2、3人連なって歩く姿も社会啓発になっているのかも知れない。
選挙闘争では、飛躍の仲間達と怒っているぞ!障害者きりすて!全国ネットワークの皆様にも絶大なるご支援を頂戴している。
今回の合宿では、これまでに例がない程の社会保障制度改悪と、憲法改悪とどう闘うかを徹底的に討議した。
介護保険制度改悪と障害者福祉制度改悪、脳死臓器移植法、尊厳死法制化、出生前診断制度などのように、命の選別のための制度的アウシュヴィッツ政策が急激に加速している。
また、社会保障制度改悪と並行して戦争政策が仕掛けられている。
この攻撃に反撃し、社会の仕組みを変えるための新たな闘いの結集軸を作り出す事を確認した。
機関誌飛躍第128号の津久井やまゆり園事件に関する仲間からの寄稿を以下に掲載します。

「障害者」大量虐殺事件を弾劾する!
すでに、皆さんもご存知のように、去る7月26日未明、神奈川県相模原市の津久井やまゆり園で「障害者」19人が殺害され、26人が重軽傷を追うという事件が起こりました。
犯人は、この施設の元職員でした。
●明らかなヘイトクライム
報道によれば、犯人の男性は、施設で働いているときから、しばしば「障害者」に対する侮辱的言動が見られたといわれています。
さらに、2月には、衆議院議長宛に手紙を出し、「国が許可してくれれば、すぐに、470人の障害者を抹殺できます」と述べています。
また、逮捕後も、「障害者」に対する謝罪の言葉はなく、むしろ、差別的発言を繰り返していると報じられています。
これは、明らかに「障害者」差別を根拠にした犯罪、いわゆる、ヘイトクライム以外の何物でもありません。
彼は、「障害者」がこの世からいなくなればよいという「障害者」抹殺思想の持ち主であることは間違いないと思います。
「大麻性精神障害による妄想犯罪」などでは断じてありません。
私たちは、この恐ろしい事実から逃げることなく、対処していく必要があると思います。
●今回の事件は、彼個人の問題なのか?
今回の事件を引き起こした犯人は、徹底的に断罪されなければならないことは言うまでもありません。その上で、今回の事件を彼個人の問題として片付けてしまうことは、やはり、できないのではないかと思うのです。
今回の事件の根底には、日本社会、いや、世界中に存在する「障害者」差別とそれに基づく優生思想があると思います。
たくさんの「障害者」がいまだに施設に閉じ込められているという、隔離体制が厳然と存在します。「精神障害者」の多くの人が劣悪な環境の中で、精神病院に閉じ込められ、看護人の暴力や身体拘束に苦しめられています。
地域生活も、社会保障切捨ての流れの中で、厳しさを増してきています。
事件が起きた津久井やまゆり園も「知的障害者」を中心に150人を収容する大規模施設です。
1時間足らずの間に45人もの死傷者を出してしまった原因のひとつに、隔離・収容体制があったことは間違いありません。
さらには、出生前診断や着床全診断、「尊厳死」法制化の動きなど、「生きる価値がない命」「障害者は生まれないほうがよい」といった風潮が助長されてきているような気がしてなりません。
●今回の事件を口実にした「措置入院制度」の強化を許してはならない
政府や一部のマスコミは、あたかも、今回の事件が「精神障害」によって引き起こされたかのように、事実を捻じ曲げ、社会の中にある差別意識をも使って、「措置入院から退院した後の管理体制に問題があった」「警察と精神病院の連携を強化しないといけない」などといって措置入院制度を治安対策として強化しようとする検討を始めました。
また、「障害者」を守るなどといいながら、収容施設のセキュリティーの見直しなども検討され始めています。
これは、隔離体制の強化につながり、「施設から地域へ」の流れに完全に逆行します。
私たちは、今回の事件を厳しく弾劾するとともに、こうした動きについてもきちんと反対していかなければならないと思います。

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